素材表面の新たな「付加価値」の創造を目指す【スリーケ株式会社】が第１回埼玉ＤＸ大賞最優秀賞を受賞

　埼玉県・埼玉県ＤＸ推進支援ネットワークが主催する埼玉ＤＸ大賞で「第１回最優秀賞」を受賞したことが話題のスリーケ株式会社に訪ねてきました。
同社は昭和44年（1969年）に上尾市原市で創業、３年後に領家工業団地に進出し、現在ではスタッフ100人が従事する金属材料の表面処理加工業者です。自動車部品や半導体関連部品、医療機器などの「アルマイト」「無電解ニッケルめっき」「化成処理」「ＥＣＣ処理」といった処理を行い、素材表面の新たな『付加価値』の創造を目指しています。

代表取締役社長・佐藤智弘さん（左）と開発者・岸井厚郎さん（右）

　手作業で行っていた日報記載と生産金額集計処理は時間がかかるためデジタル化できないかと５年前に社内で課題となり、既製ソフトでは対応できず、システムをゼロから開発しはじめたのがＤＸ大賞応募へのきっかけです。幹部の岸井厚郎さんを中心に従業員がプログラミングを学び、さまざまな部署からの要望を少しずつブラッシュアップして、部署横断的な情報共有ができるようになった一元管理システム「ＯｎｅＳｔｏｐ（ワンストップ）」が完成しました。その折に、埼玉県産業振興公社から、ＤＸ大賞への応募を促され、第１回最優秀賞受賞に至りました。ＯｎｅＳｔｏｐの完成により業務改善やペーパーレス化などの効率化が行われただけでなく、営業先でも社内の製造工程が可視化でき、取引先から「スピーディーに交渉できる」と喜ばれているそうです。
　代表取締役社長・佐藤智弘さんは「システム開発に伴い、２年前にスリーケシステム株式会社を立ち上げ、モノづくりに関わる情報を一元管理できるＤＸシステムを販売しています。ＤＸシステムは固定化されたプログラムではなく、企業ごとに長期間のリサーチを行ってオーダーメイドで対応でき、そのぶん既製品よりも低コストでＤＸを導入できます。同じような悩みを抱える中小企業を全力でサポートしていきたいですね」と抱負を語ります。
　同社は現在業績も好調で、大手メーカーから誘われ、地方への工場進出も検討中だそうです。まさにＤＸ推進が未来を切り拓いたと言えそうですね！