ものつくりのプロフェッショナル集団　【上尾ものつくり協同組合】

　上尾市には異業種の製造業が集った団体である上尾ものつくり協同組合があり全国から注目されています。組合の前身は1957年に設立された上尾金属工業協同組合です。発足メンバーは34 社で、大半が“市域初の近代工場”だった東洋時計株式会社出身の起業家でした。精密金属の専門技術を有する中小企業が組織化することで、資材の調達や経営資金の工面などを行い、雇用創出など経済を活性化させ、市の産業発展に貢献してきました。組合創立20周年を記念して1977年に建設された組合会館の２階は現在会議室になっていますが、落成当時はサロンとして開放され、経営者たちが情報交換を行う交流の場だったそうです。
　精密金属工業だけで構成された組織の規模を大きくするため、さまざまな製造業が参加できるよう2002年に現在の名称に改名し、当市を中心に、桶川市、伊奈町を始め近隣市町村の中小企業113社が加盟しています。
　時代の変化とともに組合としての役割も変わり、各種事業や組合活動の実施に努めています。あげお産業祭内の工業フェアではブース出展を行い、毎年１月に開催されている彩の国ビジネスアリーナでは、リアル・オンライン双方のメリットを生かした新たなビジネスチャンス創出の場として、受注拡大・販路開拓に向けて優れた製品・技術・サービスを幅広い顧客層にＰＲしています。
　今年に入ってホームページをリニューアルし、ＢtoＢ、ＢtoＣ、検索エンジンに対応できるよう構成しました。会員企業の技術を紹介しタイムリーな発信を行い、有益な情報をいち早く届けています。
　第９代目となる石川泰正理事長は「環境問題や後継者不足など、個々では対処が難しい課題もありますが、組合に所属し業種の枠を超え連携力を発揮すれば、縦横無尽に対応できます。創立67年になる当組合で将来のビジョンを語りあい、会員企業と上尾市のさらなる発展に努めていきたいですね」と話します。

第９代　石川泰正理事長