精密プラスチックを成形・製造。世界で部品が活躍する株式会社井上製作所

　昭和20年代から高度経済成長期にかけて、旧上尾町（上尾駅西口周辺）に時計や自動車部品などを生産する工場が栄え、「ものつくり」が市の産業を発展させたことはご存じでしょうか。
　井上製作所さんは昭和23年に上尾市柏座で開業し、昭和43年に株式会社井上製作所へ改組、昭和47年に領家工業団地に本社工場を移転しました。創業以来、ガスメーター、水道メーター、ガソリンメーターを主として自動車等のカウンターの専業メーカーとして高精度の製品を市場に提供しています。また高精度カウンターの技術を活かし、ギアなども設計・製作しています。
　プラスチック部品の金型づくりから成形・印刷・組立まで一貫生産できる同社の技術力の評価は高く、大手メーカーとも取引を行い、製造されたパーツは世界で活躍しています。主力商品はLP／都市ガスメーターの部品で、国内ガス会社のほとんどをシェア。24時間体制で一年中休むことなく製造を続けています。
　三代目となる井上健一郎社長は「商品によっては人命に関わる場合があるため、1/1000ミリ単位まで朝、昼、夜と欠かさず品質チェックを行います。寸分の狂いもない商品を安定して供給できる体制が当社の強みです」と自信をのぞかせます。
　社会貢献や活動も展開し、令和２年～５年にかけて株式会社デンソーから車両紹介活動における感謝状が授与されました。埼玉県等が主催する「彩の国ビジネスアリーナ」には上尾市の中小企業の代表として令和５年に続き令和６年も出展する予定です。世界で日々の生活を支える部品を製造する“縁の下の力持ち”とも言える企業が上尾市にあることを誇りに思いたいですね。

24時間体制で製造を続ける射出成形機からできあがったガスメーター部品を持つ井上健一郎社長